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通信トラフィックの急増により積極的に投資を進めるデータセンター

シスコシステムズが2016年6月に発表した予測によると、全世界における年間の通信トラフィック量は、2020年には2.3ZB(ゼタバイト)にまで到達すると見られている。これは、2005年から2020年までの間に、通信トラフィック量が100倍になるという計算だ。こうしたトラフィックの急激な増加に対応するため、データセンター事業者も積極的に投資を行っているようだ。

時代に応じて変化するデータセンターの機能


もともとデータセンターは、企業がデータ処理をアウトソーシングするために場所を借り、サーバなどを設置して本社との間を専用回線で結んでいた。データセンターにサーバの管理やセキュリティ対策を依頼しておけばメンテナンスコストが削減できる他、万が一の事故や災害などに備え、有事においても業務が継続できるようにシステムやデータを分散しておくことができる。

しかし、2000年代以降は、企業との接続は専用回線からインターネットによるVPN(Virtual Private Network)での接続に移行している。その後もネットビジネスの多様化によって、外部からの不特定多数のWebアクセスにも対応するなど、データセンターに求められる機能も時代に応じて変化してきた。

トラフィックの内容も大きく変化


今やデータセンターが扱う通信トラフィックの中身は、契約した企業が社内用に利用する文書ファイルや画像ファイルなどから、不特定多数の外部ユーザーが利用する音声や動画などの大容量コンテンツに移行している。また、スマートフォン向けのさまざまなネットビジネスが登場することで、データセンターにサーバ管理を任せるサービス事業者の数が増加。今後はIoT(Internet of Things)の実現に伴い、さらにネットワークに接続するデバイスが増加している他、種々のデータを収集して解析するビックデータの活用なども盛んになっている。そのため、サーバに蓄積されるデータ量も増加の一途をたどりそうだ。

こうした通信トラフィックの増加やデータの大容量化に従来のデータセンターが対応するためには、サーバやストレージ、ネットワーク装置などといったハードウェアを追加設置するための増床が必要になる。

サービスの変化に対応するデータセンター


こういった背景から、国内のデータセンター事業者は積極的に投資を行っているようだ。IDC Japanが2017年3月に発表した調査によれば、2016年末時点の国内にあるデータセンターの延床面積の合計は203万3540㎡で、2021年には220万319㎡に増加するとし、特にクラウドサービス向け大規模データセンターの需要が増加していると見ている。

一方で、最近は人工知能やディープラーニング(深層学習)といった新たなテクノロジーを利用したサービスを、クラウド環境から提供しようとする事業者が増えている。しかし、人工知能やディープラーニングなどの演算処理では、サーバ1台あたりの消費電力が大きくなり、従来のデータセンターの設備では対応できない。そこで、大量の電力供給および空調能力、大容量ネットワークインフラ、大容量IT機器を支えるための床構造などを備える、最新の設備が整った建物にデータセンターを新設する傾向が見られるという。

今後、データセンターの活用を新たに検討する際には用途を明確にした上で、その用途に対応できる設備を持っている事業者かどうかを見極めることが重要になりそうだ。

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